それが結果だ。
まあ確かにあの場でどこの馬の骨ともわからぬ劇団員にしては結構ウケた方なんじゃないか、とか冒頭いきなり沈が甘ガミし鹿島もカみやがってというくらい緊張してて、とかいう土産話はあるにしろそういう結果である。
アガリスクエンターテイメント代表として出場したわけで、それは予選会までやって勝ち抜いたのだから文字通り団体を背負った「代表」だったのだ。つまり、アガリスクエンターテイメントという劇団がキングオブコントというイベントに爪痕すら残せなかった。
それが結果だ。
また敗けをひとつ背負ってしまった。俺が背負うのは慣れてるとして、団体にも背負わせてしまった。
悔しいよ、そりゃ。ただ、ウケたからかな、ちょっとの清々しさがあることも否定しない。
ちゃんと戦って、ちゃんと敗けた。珍しくそんな感じである。
少なくとも、自分の手の届かない部分で敗けたんじゃない。何者でもないまま敗けたんじゃない。
あのときは、ぶっ壊れるくらい悔しさしかなかった。手応えもなにもありゃしない、だって何もしてないんだもの。
そういう敗けじゃない、勝敗の中の敗けで、キングオブコントと言う舞台でそういう敗け方ができて、本当にいい経験だった。
まあ、経験も何も結果だけどね。通用しなかったんだけどね、一回戦敗退なんだもの。
でも、劇団代表とはいえ後ろ盾も殆どないままの、デカい山。出てない奴らは残念だったな、この経験は糧と武器とさせてもらう。
敗けには慣れてんだ。つまりリヴェンジにも慣れてんだ。
来年の「キングオブコントへの道」、少なくともこの時点、おれと鹿島と沈は結構リードしてるぜ。
やるかわからないけどリードはリードだ。